2022/03/04 居場所探しの旅

2022/03/04

日記

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 誰にでも居場所があると思っていたら大間違い。
実際にそうそう居場所がある人ばかりではないのが現実だ。
前回の「思い出がつらいとき」同様に、思い出が詰まっている場所を、今は少しずつ訪れてみては心の鍛錬を繰り返しているのが現状。



好きだった人とよく訪れていた海辺の風景も、離れ離れとなってしまった今となっては、ただただ思い出がつらい場所にしかならない。
だから、あえて来てみた。

心の耐性をつけておかないと、どこにも出歩けない状況に陥るかもしれないと思ったからだ。
春・夏・秋・冬と、それぞれの季節に訪れていたこの海辺に、今はたったひとり孤独だ。
当時は当たり前と思っていたしあわせが、今は苦痛としか受け止められない。
大抵の場合、思い出の場所なんてそれくらいの価値しかないのかもしれない。



歩いた波打ち際も、冬空の下ではより一層寒さがしみてくる。
当時は、もっとなにか楽しい思いを胸に、寒ささえ楽しんで歩いていたと記憶している。
寒さと一緒に暖かさすら共有できていた、懐かしい時間を過ごせていたのかもしれない。

なにも考えず、ひたすら歩いてみる。
考えてしまうと歩みが止まるからだ。
ただ物理的に移動をしては、また戻ってみるを繰り返す。
考え、思い出したら、その時点で寂しさに押しつぶされる。
離れてしまった悲しさではなく、ひとりでいるという寂しさのほうが大きく感じる。



西に傾く太陽を眺めつつ、ここに自分の居場所があるのかどうかを考えてみる。

自分はここに来て、なにかを得ることができるだろうか。
寂しさやつらさではなく、楽しさや喜びをもう一度手にすることはできるのだろうかと。

どこに行くにつけ、しばらくはそんな自問自答を迫られる毎日を送るしかなさそうだ。

やり残していることが、まだなにかありそうだ。
それがなくなったときは、きっと幕引きで十分なのだろうと思いつつ。


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プロフィール

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「anijaism」(兄者ism)本サイト・ブログ管理者。職業:フリーライター。茨城県在住1970年製ビンテージ。既婚。若い頃は「理想」と「現実」の狭間で苦しむ日々を送るも、年齢を重ねるうちに「理想」を追い求めることと「現実」に対する諦めの境地に達する。それでも、毎日なにか「楽しいこと」はないものかと模索中。「今日死んでも後悔しない毎日を生きる」がモットー。

twitter@anijaism

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